幸せになるヨガのススメ ～呼吸ひとつで心と身体が変わる～｜相楽のりこ
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最終更新日2024.10.18
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2024年版「世界の幸福度ランキング」※によると、日本は世界51位で主要先進7カ国（G7）では最下位。幸福の捉え方は主観的なものですが、仕事が忙しく常に時間に追われていたり、SNSを眺めては他人と自分を比較してしまったり、現代は幸せを感じにくい社会になっているのかもしれません。そこで今回は、ヨガインストラクターとして活躍する相楽のりこさんに「幸せになるヨガ」をテーマに、ヨガがもたらす心と身体の変化について教えていただきました。
※国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」（SDSN）により
幼少期から10年間、朝日生命体操クラブの選手コースで器械体操選手として活躍。19歳よりタレント、女優として活動するなかでヨガと出会い、ヨガインストラクターの道へ。説得力のあるガイドができるよう自身のヨガプラクティスを日課にし、身体、心、すべてが進化していくことを朝ヨガの実践を通して伝える。2017年に自身がオーナー兼プロデュースを手掛けるヨガスタジオ「TODAY」をオープン。2022年より「TODAYYOGA」TTC・指導者育成スクールを開校。
ヨガで知った呼吸で心をコントロールする方法
身体を動かすことが好きで、幼少期から器械体操の選手として活躍していた相楽のりこさん。そのほかに、水泳、スキー、ダイビング、サーフィンとさまざまなスポーツに親しんできたそうです。
ヨガとの出会いは、芸能活動を行っていた27歳の頃。「この先の人生を模索している時期」だったと言います。
「母の勧めでふらっとヨガスタジオに行ったら、ビビッときてしまって。今までたくさんのスポーツをしてきましたが、自分が今、呼吸していると意識する、呼吸をコントロールしながら動くということが大発見だったんです。ヨガの呼吸によって心が静まり、晴れやかになっていく。レッスンが終わった瞬間に、生まれ変わったような感覚でした」
そこからヨガを学び、30歳でインストラクターの道へと進みます。
そもそもヨガとは、冥想により心を静め、精神を統一するための修行法。その手段として特殊なポーズや呼吸法を用いますが、現在は美容・健康法として応用され親しまれています。相楽さんが考案した「TODAYYOGA」は、ヨガにストレッチの要素を取り入れたもので、呼吸とともに身体の軸をつくっていきます。
「ヨガ哲学にはよい教えがたくさんありますが、未熟な私が精神論を語るのは少し違う気がしました。一方で、身体のこと、呼吸のことなら自信を持って皆さんにシェアできます。身体と心は相互に影響し合っていますから、身体を動かすことで心がついてくるという考えが私にはしっくりきています。呼吸を意識してストレッチすると、本当に思考が変わるんです。たとえば縮こまっていた胸を開くだけでも、目線が上がって視野が広くなり、世界の見え方が変わりますよね」
人は緊張したり焦ったり怒ったりすると呼吸が浅くなり、楽しいときやリラックスしているときは自然と深い呼吸になります。その違いを意識して呼吸をコントロールすることで、心をポジティブに導けると相楽さん。また、ストレッチによって身体の柔軟性が上がると心までやわらかくなり、身体に軸ができると精神的にも“自分軸”をもてるようになると言います。
自分を客観視し、日々を丁寧に生きると幸せ＆きれいになれる
相楽さんがオーナー兼プロデュースをするヨガスタジオ「TODAY」のコンセプトは、日々を丁寧に生きること。今日をつくり上げるひとつひとつの呼吸を丁寧に行い、仕事の取り組み方、人との接し方などすべてを丁寧に築き上げていこう、というものです。
もうひとつ相楽さんがヨガの利点と考えるのが、プラクティスを通して自分を客観視する「目」が身につくことです。
「たとえば、難しいポーズをして苦しいとき、『呼吸が浅くなっているな』と自分を俯瞰して状況をとらえる感覚がつかめます。日常生活でも何かショックなことがあると、身体が硬直して頭は真っ白みたいな状況になりますよね。そんなときも、『深呼吸した方がいいな』と冷静になれる。このスキルは、夢や目標を叶えるためにとても大切だと私は考えています」
「TODAY」では、朝のヨガレッスンに参加して仕事に向かう人が多いそう。心を静め、自分と向き合うヨガの時間をルーティンにすることで、日々の生活にもポジティブな変化が現れるそうです。
「ヨガのプラクティスを続けるうちに、皆さん自分を大切にできるようになるんです。わかりやすく言うと、お酒の量が減るとか、夜遊びをしなくなるとか、無理にしているのではなく自然とそうなっていきます。身体に敏感になると、食べるものに気を使うようにもなります。すべてが相乗効果を生み、皆さん驚くほどきれいになっていくんですよ」
それは「外見的な美しさだけでなく、内側からにじみでるもの」と相楽さん。最初は体型を隠すようにダボッとした服を着ていた人が、タイトなヨガウェアでスタジオに通うようになることも珍しくありません。それは必ずしも「痩せたから」ではなく、今の自分を好きになれたから。そのポジティブなオーラが、人を美しく変えていくのかもしれません。
HAPPYマインドをキープする、3つの生活習慣
いつも笑顔で、はつらつと輝いている相楽さん。どうしたらHAPPYマインドを維持できるのか、相楽さんが実践する3つの生活習慣を教えていただきました。
①朝ヨガ
「どんなに気分が落ち込んでいても、体調がよくなくても、朝5時に必ずマットに向かい、心と身体を目覚めさせます。基本は45分から1時間くらいしっかりと。自分の身体と心に向き合う大切な時間で、10年ほど1日も欠かさず続けています。その積み重ねが、自信につながっているように思います」
②16時間ファスティング
「16時間ファスティングは、食事のリズムを整え空腹の時間をつくることで腸をリセットし身体を整える方法です。睡眠時間を含めて16時間断食するのですが、これを始めてから体調がとてもよいです。
私の場合、22時には就寝したいので、18時までに夕食をすませます。朝5時にヨガをして仕事に向かい、次の食事は10時～11時頃にとるスタイル。仕事の会食などで夕食が遅くなったときは16時まで食べないなど、臨機応変に無理せず続けています」
③自分と向き合う時間をつくる
「1日のなかでひとりになる時間は必ずつくります。人生のスケジュール表をつくるように、これからやりたいこと、今やるべきことなど、ひとつひとつ挙げて頭を整理するんです。特にネガティブな考えに陥ってしまったときは、その気持ちのまま行動すると後悔することが多いので、ひとりで冷静になる時間を持つよう心がけています」
1日の終わりにぴったりのリラックスヨガ＆セルフケア
相楽さんに、1日の終わりにぴったりのリラックスヨガ＆セルフケアの方法を教えていただきました。ぜひトライしてください。
仰向けになり、右脚を曲げて両手を添え、胸に引き寄せます。鼻の奥までしっかりと息を吸い込み、しっかりと鼻から吐き出します。身体を空気で膨らませるイメージでゆっくりと吸い、息を吐き切ることが大切。吸って吐いてを1カウントとし、そのままの姿勢で5カウント続けます。
次に右手を肩の高さで伸ばして床につき、胸を開きます。左足のかかとを押し出すようにしながら、右脚に左手を添え90度の角度にねじります。この動作を息を吐きながら行いましょう。ねじり切ったら、足先を楽にしてOK。このまま、ゆっくり息を吸って吐いて5カウント続けます。反対の脚も同様に行いましょう。
POINT
胸を開くことで呼吸が深まり、脚をねじることで骨盤周りの筋肉がゆるみ大腸も刺激されます。丁寧な呼吸を意識しながら、心と身体を緊張から解放していきましょう。眠る前にベッドの上で行うのもおすすめです。
ガチガチに固まった肩や背中をほぐす
スマートフォンの見すぎなどで、肩や背中が固くなっている人におすすめのケアです。ハンディガンにスカルプアタッチメントをつけ、手の甲に当てて30秒ほどケアしていきます。
POINT
スマートフォンの持ちすぎなどによる手の負担と、肩や背中のコリはつながっています。まずは手の甲からケアしましょう。
ハンディガンを少しずつ上に移動させ、腕をケアしていきます。30秒ほどを目安にさらに上へと移動させていき、最後は小胸筋周りをケアして終了です。利き手だけでなく、左右をケアしましょう。
誰でもない“自分の人生”を歩むために
SNSの普及により、他人の生活を手軽に見られるようになりました。多くの学びがある一方で「あの人に比べて私は……」と落ち込むことも増えています。そんな方へのアドバイスをもらいました。
「頭のなかであれこれ考えるより、現実世界で一歩を踏み出すことが大切かなと思います。ヨガスタジオに行ってみる、美術館に行ってみる、森林浴をする、何でもいいです。その一歩から、変わることが必ずあります。私はヨガと出会い、幸せは自分で感じるもの、人生は自分次第だと気づきました。他人を気にする時間を、自分にかけてあげてほしい。『誰でもない、自分の人生を生きて』と伝えたいですね」
インタビューを終えて
身体から発光するようなポジティブなオーラをまとっている相楽さん。「スタジオに通ってくださる方も、本当にいい人ばかり」とうれしそうに笑う姿が印象的でした。心はやわらかく、自分軸を持ちながら過ごすことが幸せを引き寄せるコツなのかもしれません。
