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「デブ筋」をながすミオドレ式ダイエットで、ぽっこりお腹も解消⁉|小野晴康

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公開日2024.10.10
最終更新日2024.10.18
読み終わるまで8分

痩せたいとは思っていても、筋トレ、エクササイズ、スポーツなどに時間を割くことが難しいという人、多いのではないでしょうか。そこでご紹介したいのが、激しい運動をしなくても筋肉にアプローチしてダイエットできると話題のミオドレ式「デブ筋」ながしです。今回はその考案者である小野晴康さんに、そのメソッドと実践方法を解説していただきました。

Profile
プロフィール
小野晴康
ソリデンテ南青山院長/理学療法士/柔道整復師

理学療法の理論と技術を駆使した独自のマッサージ法「ミオドレナージ」を考案し、アンチエイジングサロン「ソリデンテ南青山」を設立。モデル、タレントなど、多くの著名人のボディメンテナンスを担当し話題となる。2011年に社団法人日本ミオドレナージ協会、2013年にミオドレマネージメント株式会社を設立し、ミオドレナージ技術の指導、普及、サロンの開業サポートにあたり、東京、大阪など全国各地にミオドレサロンが続々とオープンしている。

https://sorridente.jp/

理学療法の理論にもとづいたミオドレナージとは?

ミオドレナージとは、ミオ=筋肉、ドレナージ=老廃物を排出するという意味で、筋肉の老廃物をデトックスするマッサージ法のことです。略して「ミオドレ」と呼ばれ、健康的に美しくなれると、有名モデルや女優さんも、ミオドレを受けにサロンに通っているそう。
 
実はミオドレは、ダイエットだけでなく健康面でのメリットもたくさん。それもそのはず、ミオドレの考案者である小野晴康さんは理学療法士です。公立阿伎留医療センターリハビリテーション科などで実績を積み、その後はリハビリテーションの教育に従事していました。

「長い間リハビリ医療に携わるなかで、病気ではないけれど体調がよくない、いわゆる『半健康』と呼ばれる人たちを健康にするにはどうしたらよいのか考えていました。そして多くの患者さんを見るなかで、年齢を重ねても健康な人は、弾力のあるしなやかな『よい筋肉』をしていると気づきました。そういう人は必ずしも筋肉質な体型ではなく、痩せていても自分の足でしっかり歩くことができるのです。逆に、筋肉が硬く縮んでいる人は、歩けなくなったり、最後は寝たきりになったりすることもあります」
 
小野さんは、ミオドレを「いい筋肉をつくることを目指したマッサージ法」と言います。理学療法の理論をベースに、いかに筋肉を硬くしないか、関節の動きをスムーズにするかを考えたどり着いたメソッドなのです。それがダイエットやアンチエイジングにもよいと評判を呼び、アンチエイジングサロン「ソリデンテ南青山」を設立しました。

「デブ筋」をながすと、痩せる、不調が整う、若々しくいられる

ミオドレのしくみを簡単に説明すると、力強いマッサージによって硬く縮んだ「質の悪い筋肉」をほぐし、やわらかい「質のよい筋肉」を再生させるメソッドです。
 
「ミオドレは筋肉の走行に沿った力強いマッサージで、筋肉と筋膜をほぐしていきます。そのなかで筋肉内の脂肪細胞への栄養経路が壊れ、肥大化した脂肪細胞に栄養が届かなくなります。栄養不足に陥った脂肪細胞が死滅し、新しく正常な脂肪細胞へ生まれ変わるのです。また筋肉がゆるむとリンパや血液の流れがよくなって、さらに質のよい筋肉細胞が再生すると代謝が上がり、痩せやすく太りにくい身体になります」と小野さん。つまり、硬く縮んだ筋肉=「デブ筋」ともいえるのです。
 
すでに説明があった通り、筋肉の質をよくすることは健康かつ若々しくいるための大切な条件。血液やリンパの流れがよくなることに加え、マッサージによって筋膜や筋肉がやわらかくなると、縮んだ筋肉に引っ張られていた関節や骨の位置も整うそうです。次第に、冷え、肩こり、腰痛、猫背といった不調も改善していきます。

「デブ筋」ながしは、「くぼみを押す」「脂肪をつまむ」「押し流す」の3STEP

「デブ筋」ながし=ミオドレは、専門サロンだけでなく自分でできる点も特徴です。その方法は、痩せたいところの「くぼみを押す」「脂肪をつまむ」「押し流す」だけ。まずはその3STEPを簡単にご紹介します。
 
1.くぼみを押す
身体には筋肉の始点と終点、神経や太い血管が集まった「くぼみ」があります。このくぼみを押すことで周辺の筋肉をゆるめ、神経伝達と血流をよくするのが最初のステップ。代表的なくぼみは、鼠径部、みぞおち、脇の前などにあります。
 
2. 脂肪をつまむ
脂肪を強めの力でつまんでいきます。長年の蓄積によって、セルライト状に肥大した脂肪細胞を小さくつぶしていくイメージです。脂肪がやわらかくなると、流しやすくなります。
 
3.押し流す
筋肉の走行に沿い、やや強めに圧をかけてさすります。気持ちよいと感じるくらいが目安です。筋膜や筋肉のゆがみを正しながら、筋肉内の脂肪をかき出すように押し流しましょう。こうして、硬く縮んだ「デブ筋」が、「質のよい筋肉」へ生まれ変わるようサポートします。
 
「デブ筋」ながしは、筋肉が硬い人ほど痛みを感じます。翌日に筋肉痛のような痛みを感じたら、正しくできている証。力強いマッサージを、「デブ筋」が筋トレと錯覚しているのです。筋肉がやわらかくなれば痛みも少なくなります。

セルフケアで、気を付けるべきポイントはあるのでしょうか?
 
「大切なのは身体の前面にアプローチすることです。猫背がよい例ですが、人間の身体は背中側が伸び、前側が縮こまることが多いです。ミオドレは硬く縮こまった筋肉をほぐすことが目的ですから、身体の前面にアプローチします。前面の筋肉がほぐれると、筋肉の伸縮のバランスがとれて背中側も楽になります。
つまり、自分の手が届く範囲をケアすればよいのです。すると自然と手の届かないところもよくなります。人間の身体は実に理にかなっているんですよ」
 
どの工程も大切ですが、30代は「脂肪をつまむ」、40代は「押し流す」の工程を重点的にするのがおすすめだと小野さんは言います。
 
「30代は脂肪がつき始める時期ですから、しっかりつぶしておきましょう。40代になると、筋膜や筋肉が硬くなりがちなので、押し流す工程を丁寧に行ってください」
 
小野さんによると、運動習慣のない人のほうが痩せやすいそう。自己流で激しい運動をしていた人は筋肉が硬いことが多く、やわらかくなるまで時間がかかるからです。「運動不足な人ほど痩せやすい」と聞けば、やる気がわいてくる人も多いのではないでしょうか。

ぽっこりお腹を撃退する「デブ筋」ながしの方法

デブ筋ながし=ミオドレは全身に行えるマッサージ法ですが、痩せたい部分の筋肉だけをほぐせば“部分痩せ”も可能。今回は、ぽっこりお腹にアプローチする方法を小野さんに実践していただきました。
※服の上からでもOKですが、直接肌にふれて行うと効果的です

1.鼠径部のくぼみを押す
両手の親指を左右の鼠径部の中央にあて、体重をのせるようにゆっくり3回押します。

2.お腹の脂肪をつまむ
お腹の中心から下腹、わき腹までのぜい肉を、両手で強めにつまんで離します。親指の腹と、人差し指の側面でねじるようにつまむのがポイントです。1か所につき10回ほどつまみ、少しずつ位置をずらしましょう。

3.お腹の上から下へ押し流す
軽く両手を握り、ろっ骨の下にあて、鼠径部に向かって強めの圧をかけながら押し流します。10回×2セットが目安です。
 
POINT
回数はあくまでも目安なので、余裕のある日は増やしてもOK。お風呂上がりが最適のタイミングです。

ハンディガンを使う方法も

ハンディガンのようなケアアイテムを使うのもおすすめ。小野さんも愛用しているそうで「バイブレーション(振動刺激)は、筋肉をゆるめるのにとてもよいです。アプローチしたい場所をやや強めの振動でミオドレ式(今回であれば、鼠径部→腹部)にケアしてみてください。腹部に“のの字”にあてるのもよいですよ」と教えてくれました。

たるみ顔を改善する簡単セルフケア

たるみ顔を改善するのに顔をマッサージする必要はないそう。アプローチするべきは胸鎖乳突筋です。この筋肉が硬く縮むことでフェイスラインが下に引っ張られ、たるみ顔に。胸鎖乳突筋がほぐれると、顔がリフトアップ。むくみがとれ小顔効果も期待できます。

1.胸鎖乳突筋にハンディガンを押しあてる
ハンディガンで胸鎖乳突筋(首から鎖骨にかかる筋肉)をケアしていきます。まず、耳の後ろに1分ほどあてます。
 
2.首を押し流す。
ハンディガンの位置を10秒ほどで少しずつずらし、首の下へ向かって押し流していきます。鎖骨に到達したら、そのまま1分ほどあてます。3回を目安に行いましょう。

健康な身体だからこそ、美しくいられる

最後に小野さんに読者へのメッセージをいただきました。
 
「デブ筋ながし=ミオドレは、ドブ川を清流にするようなものです。ドブ川と清流の生き物を比較すると、清流に生息する魚のほうが元気で美しく見えませんか? 人間の身体も同じようなもので、身体の巡りがよくなれば新しく生まれてくる細胞、また筋肉の質も上がり健康でいられます。そして人は健康だからこそ美しくいられると私は考えます。
つらい運動をしなくても、1週間ほど続ければ身体の変化を感じられるはずです。セルフケアを、ぜひ日々の習慣にしてください」

インタビューを終えて

質のよい筋肉があれば、年齢を重ねてもさっそうと歩くことができます。そしてその姿は美しさにもつながるものです。小野さんのお話を聞き、「デブ筋ながし」=ミオドレは、想像よりもずっと手軽に始められるメソッドだとわかりました。日々のセルフケアに、ぜひお試しください。

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