運動前後の習慣に!それぞれに適したおすすめのストレッチを紹介
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最終更新日2023.09.04
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「運動前に準備運動が必要なのはわかっているものの、どんなメリットがあるのかいまひとつよくわからない」「運動した後にいつまでも疲れが抜けず、翌日にも影響してしまう」、そんな方も多いのではないでしょうか?本記事ではそんな疑問と問題を解決するために、効果的なストレッチとはどのようなものなのか、運動の前と後、それぞれ適切なストレッチ方法とあわせて紹介していきます。
運動前にストレッチを行う目的とは?
運動前にストレッチを行うおもな目的は、筋肉や関節をほぐすことにより運動パフォーマンスを向上させることです。「ウォーミングアップ」と言うとおり、先にストレッチをしておくことで体温が上昇します。
体温が上がると呼吸器や循環器系の活動が高まるため、酸欠を起こしにくいというメリットがあるほか、筋肉や関節が柔軟になるためケガの予防にもつながります。激しい運動を突然始めるのではなく、事前にきちんとストレッチを行いましょう。
運動後もストレッチを行う目的とは?
運動後にストレッチを行うおもな目的は、運動によって上昇した血流を正常な状態に戻し、疲れを残さないようにすることです。運動時は体を動かすことによって体温が上昇しますが、運動後のストレッチは、これを徐々に下げていく「クールダウン」の働きをします。
また、静脈血は筋肉の動きで心臓に戻りますが、急に運動をやめると血流に影響が出てしまい、めまいや吐き気を引き起こす危険性も。これを防ぐためにも、ストレッチで軽く体を動かしながら全身の血液を徐々に戻していきましょう。
体が運動により疲れていると乳酸と呼ばれる物質が溜まりますが、血流をよくすることで乳酸の蓄積を防ぎ、疲労が残るのを予防する効果もあります。
おすすめウォーミングアップ〜運動前〜
ランニング前にもおすすめなのが、腕を振るフォームでも重要な肩甲骨を中心に体を温めるストレッチです。それぞれ15〜30秒を目安に行いましょう。
- 1.体の前で手を組み、膝は力を入れず軽く曲げて、息を吐き背中を丸めながら前に伸ばす
- 2.組んだ手を左右に振り、左右の背中も伸ばす
- 3.手を後ろで組んで肩甲骨を寄せるように胸を張る(あごを引き、首を伸ばすように肩を下げるとより効果的)
- 4.手を肩に置き、ゆっくり大きく回す(肘が真上を向くように挙げて、肘が体の後ろを通るように)
- 5.足を交差させて小指同士をくっつけた状態で体を前に倒す(もも裏のハムストリングを意識して伸ばす)
- 6.壁や手すりにつかまりながら片足をお尻まで曲げて、ももの前面を伸ばす(下腹部を引くように意識すると伸びやすい)
- 7.壁や手すりにつかまって足を前後に開いたら前足は曲げ、後ろ足はかかとまで床につける
- 8.壁を押し、ふくらはぎにその力が加わっているのを感じる
筋を伸ばすストレッチ
全身の筋肉を複合的に刺激できるストレッチです。テンポよく行い、筋肉を温めましょう!
- 1.両足を肩幅に開いて立つ
- 2.左手を右に伸ばし、右手で肘あたりを抱えるように固定する
- 3.右足に体重を乗せて身体を右側にひねり、右前腕を引き寄せて左腕を伸ばす(10秒静止×左右1~3セット行う)
- 4.両手を身体の後ろで組み、下に引きながら胸を開く
- 5.軽く膝を曲げながらお辞儀をするように状態を前に倒し、腕は天井に向かって伸ばす(10~30秒静止)
- 6.肩の高さで両腕を伸ばし、手のひらは下に向ける
- 7.右足に体重を乗せて身体を左にひねり、左腕は右肩、右腕は後から腰に伸ばす(左右交互に10回×1~3セット行う)
全身のストレッチ
上半身から下半身までバランスよく刺激できるストレッチです。それぞれの動きで10~20秒ほど静止します。
- 1.体ごと傾かないように注意しながらゆっくりと首を横に傾ける
- 2.両手の指を組んで手のひらを天井に向けるように伸ばし、腕は耳にあたるようにする(痛みや違和感を感じる場合は手の甲を上に)
- 3.両手を上げ、右手で左手の手首または親指を持ち、左手を引っ張りながら右側に体を伸ばす
- 4.後ろで手を組み胸を張ったら手を斜め下に引き下げ、反対側も同様に行う
- 5.椅子の後ろに立って背もたれを持ち、足を前後に開いたら前の足を曲げて膝を押し出す
おすすめクールダウン〜運動後〜
胴体部分のストレッチ(胸、肩〜わき腹、おしり)
【胸】
ウォーキングやランニングのほか、水泳後のクールダウンにもおすすめです。
- 1.いすに座り、両手を後ろで組む
- 2.胸を張り、組んだ手を斜め後ろに下げる
【肩~わき腹】
体の側面を伸ばすストレッチです。運動後のクールダウンに限らず、デスクワーク中の気分転換にもおすすめです。わき腹が気持ちよく伸びるのを感じながら行いましょう。
- 1.いすに座り、両手を上げる
- 2.片手でもう片方の腕の手首をつかみ、つかんだ腕を伸ばすように曲げる
- 3.反対も同様に行う
【お尻】
特に下半身中心の運動をした場合に効果的なストレッチです。
- 1.仰向けになって片足は自然に伸ばし、もう片足のひざを両手で抱え込む(体が硬い人はひざの裏に手を入れて引き寄せてもOK!)
- 2.ゆっくりお腹に向かってひざを引き寄せ、お尻の辺りを刺激する
- 3.反対の足も同様に行う
下半身のストレッチ(太もも、ふくらはぎ)
【太もも前面】
ランニングなどのほか、バスケットボールなどのジャンプするスポーツなどの後にもおすすめです。
- 1.両足を伸ばして座り、片方の足を曲げてかかとをおしりの近くまで持ってくる
- 2.体をゆっくり後ろに倒し、太もも前面が痛気持ちよく伸びているところでキープ
- 3.反対の足も同様に行う
【ふくらはぎ】
ふくらはぎも運動全般でよく使われる部位です。フットサルやバスケットボールなど、特に脚を使うスポーツの後にはしっかりと行いましょう。
- 1.正座から片ひざを立てる
- 2.立てたひざの上に両手を起き、かかとが浮かないようにしながらひざを前に曲げる
- 3.立てていないひざは外側に開いて腰を落とし、15~20秒静止
- 4.反対の足でも同様に行う
足まわりのストレッチ(すね、足裏)
【足裏】
意外と忘れがちな部位ですが、運動中の足裏には常に多くの負荷がかかります。忘れずにストレッチしてきましょう。
- 1.正座をし、つま先を立てる
- 2.重心を少し後ろにかけ、足の裏が伸びているのを感じながら15~20秒ほど静止する
【すね】
すねも足裏同様、ウォーキングやランニングのときに負荷がかかる部位です。足裏ストレッチの後に続けて行うのも良いでしょう。
- 1.正座し、左ひざを両手でかかえる
- 2.ひざを持ち上げ、足首からすねの筋肉が伸びているのを感じながら15~20秒静止
- 3.右足も同様に行う
ストレッチを行う際の注意点
運動の前後どちらも、無理やり筋を伸ばしたすことは避けましょう。ストレッチは、痛みを感じず、気持ちの良い程度で行うのがベストです。どこの部分が伸びているのか意識しながら、一動作につき10~30秒程かけてゆっくりと伸ばし、この間も規則的に深い呼吸を忘れずに。これらを押さえたうえで、運動に適した正しいストレッチを実践してみてください。
ストレッチを習慣化させ、運動を楽しく安全に
運動前はつい面倒に、運動後はすぐに休みたくなるかもしれませんが、どちらも5分程度のストレッチ時間をつくることで、パフォーマンスの向上、疲れの残り方が変わってきます。すると、次の運動へのモチベーションも変わってくるはずです。今回紹介したストレッチ方法を参考に、ポイントを押さえて効果的に実践してみてくださいね。