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ストレートネックによる頭痛や肩こり|症状を緩和する方法とは?

公開日2024.03.17
最終更新日2024.03.08
読み終わるまで7分

慢性的な肩こりや首こりで、不快感や痛みが続いていませんか?肩の痛みや慢性的な首こりを感じる原因はさまざまですが、ストレートネックが原因となっている場合もあると考えられています[1]。こりを改善するには、まず原因を知ることが大切です。ストレートネックになりやすい習慣や、首や肩がこる理由と日常に潜む原因をおさえて、症状改善に役立てましょう。

あなたはいくつ当てはまる?ストレートネックの主な症状

ストレートネックになると、首や背中など、首を支える筋肉の緊張状態が続きます。その結果、以下のような症状が現れるとされています。
 


  • 肩こりや首こり

  • 首や肩の痛み

  • 頭痛

  • めまい

  • 吐き気

  • 上を向きづらい

  • 手のしびれ など


 
ストレートネックの場合、特に多い症状として肩こりや首こりがありますが、主に肩から首にかけての筋肉が緊張し、血流が悪くなることで起こります。首や2本ある左右の腕は、5kgほどの重さ[2]がある頭部を支える必要があり、特に負担がかかりやすいためです。さらに、近年のパソコンやスマートフォンの普及によって、常にうつむき加減の姿勢をとる機会が増えていることも首こりや肩こりの大きな要因でしょう。

慢性的な頭痛はストレートネックが原因かも?

ストレートネックによって首や肩の筋肉が緊張し続けると、頭がギュッと締め付けられるように痛む「緊張型頭痛」につながることもあります。頭痛と同時に肩や首のこりを感じるときは、この「緊張型頭痛」の可能性が高いため、緊張した肩や首の筋肉をほぐし、意識的に血行を促進するようにしましょう。
 
ただし、緊張型頭痛の症状の出方や痛みの強さには幅があり、単純に判断しづらい側面もあるため、症状が重い場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

ストレートネックによる症状を緩和するには?

首こりを引き起こす原因は、日常生活の何気ない場面にたくさん隠れています。症状を緩和するためには、まず首がこりやすい習慣を身につけてしまっていないかチェックし、それぞれの場面でできる対処法を取り入れてみましょう。

姿勢を意識する

長時間同じ姿勢でパソコンやスマートフォンに向かうことが多くなると、筋肉が緊張した状態が続くため、肩から首にかけての血流が悪くなり、首がこりやすくなります。
 
また、肩こりだけでなく、画面を注視することでまばたきの回数も減り、目の疲れにつながります。さらに、眼精疲労によって目やその周囲の筋肉の緊張が肩や首の筋肉の緊張状態を引き起こすことも。これらが複合的に影響するため、長時間のデスクワークやスマートフォンの操作は特に注意が必要です。
 
デスクワーク中やスマートフォンを操作しているときは、画面に集中するためつい猫背になりやすいタイミングですが、こういった前のめりの姿勢はストレートネックの原因のひとつです。日頃から体への負担が少ない姿勢を意識し、首の筋肉への負担を軽減しましょう。
 
体を横から見たときに、両足の裏全体が床につき、背筋が伸びている状態がバランスの取れている良い姿勢とされています。このような姿勢を普段から意識してください。
また、デスクワーク中に猫背になりやすい一因として目とモニターの高さが合っていないことがあげられます。モニターの高さは目線の少し下くらいに調節し、モニターと目が40cm以上離れるようにデスク環境を整えましょう。

ストレスをためこまない

精神的なストレスは、知らず知らずのうちに体に大きく影響を与えています。ストレスによる刺激を受け続けることは、体の働きを自動的に調整する自律神経のバランスを乱す原因となります[3]。自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなり、相互に働くことで全身のさまざまな働きを調節していますが、ストレスによって血管を収縮させる働きを持つ交感神経が活発に働くため[4][5]、血行が悪くなることも。交感神経は長引く痛みとも関連があるとされているため[6]、肩こりや頭痛の症状がある場合は、ストレスを軽減する工夫が必要です。
ストレスを軽減する方法として、適度な運動を取り入れてみることもおすすめです。血液を循環させるポンプの役割である心臓ですが、全身の筋肉も同様にポンプの機能を持っているため、運動をすることで血行も促進されます。

適温環境を保つ

寒い環境では思わず肩をすくめてしまうものですが、人間は気温が低くなると筋肉を収縮させて熱を産み出そうとします。その結果、首や肩の持続的な収縮が血流を悪くし、首こりにつながることも。
 
ストレートネックによる諸症状、特に首こりや肩こりがつらい場合は、寒い季節に長時間外で過ごすことや、夏でもエアコンを極端に低い温度に設定することは避けてください。オフィスなど、自分で温度を変えられない環境にいる場合は、温度調節できる服装で適温を保ちましょう
また、一日の中で寒暖差が大きいことも、前述した自律神経のバランスに影響を与えます。日中と夜や、室内外で寒暖差が大きくなりやすい場合は特に注意が必要です。

枕の高さを調整する

高すぎたり低すぎたりする枕を使い続けると、ストレートネックの症状を悪化させることがあります。枕の高さが合っていないと感じるときは、早めに見直しましょう。自分に合った枕の高さは人によって違いますが、柔らかすぎず硬すぎず、仰向けに寝たときに呼吸しやすいものを選んでください。素材によって沈み込み方が違うので、できれば寝心地を試してから枕を買いましょう。

医療機関を受診する

ストレートネックは、多くの場合、首の骨そのものが変形しているわけではありません。本来、わずかに前方に反っている首の骨の反りがなくなり、真っすぐになってしまっている状態のことを指します。この状態になっているかの確認は、整形外科などでレントゲンを撮ることですぐに判明します。ストレートネックと診断された場合は、筋肉の緊張をゆるめる薬の処方や、首や背中の筋肉をほぐす施術、電気治療などによって症状を抑えることも可能です。

セルフケアのポイントと注意点

ストレートネックの症状を緩和するには、首回りの筋肉を緊張させるような悪い姿勢や、体の癖を見直し、首の筋肉をほぐすことが大切です。セルフケアも有効ですが、間違った方法にならないよう注意して行いましょう。
 
首や肩の筋肉をほぐすのに効果的なマッサージを2つ紹介します。
 
まず、首の骨と肩先を結んだ線の真ん中あたり、肩がこると思わず手を当てている場所をほぐしましょう。こりを感じるポイントを息を吐きながら指で押したり、擦ったり、心地よい強さでマッサージしながら、腕をゆっくりと前から後ろへ回したりしましょう。刺激しつつ腕を動かすのがポイントです。
 
また、髪の生え際のあたりにある、首の骨と頭蓋骨の境にあるくぼみをマッサージするのも、首と肩こり緩和に効果的です。両手の親指を添え、小さく円を描くようにして上に持ち上げるようにゆっくりと刺激しましょう。
 
セルフマッサージは気づいたときに手軽にできますが、自分で行うのが面倒になったりしてなかなか続かないことも。毎日自分でマッサージするのは続かないかも…という場合は、マッサージ器でほぐすのも良いでしょう。ただし、頚髄神経が存在する首は人間の急所の一つです。首にこりを感じたとき、力任せに音がなるまで強引に回したりひねったりすると、首の筋肉を痛め、頸椎に影響がでる場合があります。ケアをする際は乱暴に動かさないよう気をつけましょう。

痛みやこりが軽いうちに対策を

ストレートネックは日頃の生活習慣や癖によって少しずつ悪化します。まずは、ストレートネックの症状を悪化させる原因を一つずつ見直していき、進行を防ぎましょう。症状が重い場合は正しい方法でセルフマッサージなども取り入れ血行を促進し、緊張してこり固まった首や肩の筋肉をこまめにスッキリさせることが大切です。
 
参考文献
 
[1]東京医科大学. “肩こり” 東京医科大学webサイト. http://www.tmuortho.com/sekitsuiblog/katakori/(参照2019-08-16)
 
[2] Hansraj KK. Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head, Surg Technol Int 2014; 25: 277-279
 
[3] 厚生労働省. “自律神経失調症” e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html(参照2019-08-16)
[4] 厚生労働省. “ストレスと食生活” e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-001.html(参照2019-08-16)
[5] 国立循環器病研究センター. “[95] ストレスと心臓” 循環器病情報サービス  http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph95.html(参照2019-08-16)
[6] 小川龍. 疼痛の発生機序─交感神経の役割─, 日腰痛会誌 2001: 7(1); 10-18

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