眼精疲労と首こりの関連性|すぐに改善するべき理由と解消テクニック
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最終更新日2023.03.27
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「目の疲れ、首こりがつらい」「眼精疲労と首こりに関連性はあるの?」目の疲れを感じると、同時に首のこりや痛みも感じやすくなりますよね。
このように同時に不調を感じるのは、目と首に通っている神経が直接的に関係しているからです。というのも、目には直接“自律神経”が通っており、その自律神経は首にも通っています。そのため、目で感じた疲労やストレスが首にも伝わって、首まわりの筋肉が緊張し、首こりという不調が現れやすい仕組みになっているのです。しかもそれらの不調を放置したままにすると、精神的・身体的にさらなる不調につながってしまうため、しっかりケアすることが大切です。
そこで本記事では眼精疲労と首こりを正しくケアできるよう、以下の内容をまとめました。
【この記事を呼んでわかること】
● 眼精疲労と首こりの関係性
● 眼精疲労が引き起こす様々な不調について
● すぐに取り入れられる解消テクニック
眼精疲労になると首こりになりやすい!
眼精疲労を感じている人は、首にこりを感じたり、痛みを感じたりなど不快感を同時に抱いているケースが多いです。その理由と、眼精疲労を引き起こす原因について詳しく解説します。
眼精疲労と首こりは自律神経のバランスの崩れで起こる
眼精疲労と首こりは、自律神経のバランスが崩れることで生じます。というのも、目は直接的に自律神経が通っている部位であるため、目が感じた不調は自律神経のバランスの崩れに直接つながってしまいます。さらに、目に通っている自律神経は首にも通っているため、目の不調が連動して首に負荷をかけ、首こりを引き起こしてしまうのです。
そもそも、自律神経とは内臓の働きの調整や体温調整などを行って身体の機能をコントロールする神経のことを指し、2種類の神経がバランスよく機能することで人の健康は成り立っています。
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【自立神経】
● 交歓神経・・・起きているときや活動するときに優位に働く
● 副交換神経・・・夜間やリラックスしているときに優位に働く
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私たちは無自覚ですが、目では2種類の自律神経が活発に働いています。
例えば、遠くのものを見たり、目を閉じるとリラックスした気分を感じたり、活動的なときは目が大きく開いて周りの動きに素早く反応できたりなど、目の情報によって行動や気分に違いが出るのは実感しているのではないでしょうか。
これは目に自律神経が通っている証しであり、目は心身に連動していることが分かります。目の自律神経は脳神経の一部でもあるほど自律神経の中心であり、首から出る神経とも同じネットワークで互いに行き交い、形成されています。
そのため、何らかの原因で目の自律神経が乱れると、乱れた神経が首にも伝わってしまい、過度に首まわりの筋肉を緊張させてしまって首こりにつながってしまうという仕組みです。
さらに、目の自律神経は首だけでなく、全身とつながっているため、目の疲れや首こりに限らず、頭痛や腰痛、手足のしびれ、イライラ、倦怠感など様々な不調を引き起こす原因にもなります。
眼精疲労になる原因はストレス
眼精疲労になる理由はストレスが1番の原因であると言えます。例えば以下のような原因によるストレスが挙げられます。
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【眼精疲労につながるストレス】
● 目の使いすぎによるもの
● 度数が合っていない眼鏡やコンタクトの利用
● ドライアイによる目の不調や不快感
● 精神的なストレス
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眼精疲労になる主なストレスの原因を紹介します。
■ 目の使いすぎによるもの
目を使いすぎることは眼精疲労を引き起こす要因になります。
目の使いすぎている場面とは、例えば
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● 本や資料、書類などを長時間読む
● テレビを長時間観る
● スマホやパソコンを長時間使う
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などの行動が挙げられます。
近い物を長時間にわたって見続けると、目の働きを助ける『*毛様体筋』や『*内側直筋』が緊張し続け、やがて筋肉がこり固まってしまいます。目の筋肉がうまく機能できない状態になることでピントを合わせたり、光を調整したりすることができなくなり、目が見えにくく感じたり、疲れやすくなったりして眼精疲労になります。
*毛様体筋とは・・・カメラレンズのようにピントを調節する水晶体の働きに関わる筋肉
*内側直筋とは・・・眼球を内側に動かして近いものや細かい物を見えやすくする筋肉
■ 度数が合っていない眼鏡やコンタクトの利用
合っていない度数の眼鏡やコンタクトを使っている場合も眼精疲労になりやすいです。
というのも、遠くの物がよく見えるような度数の眼鏡やコンタクトを付けて近くのものを見ると、通常の状態よりもピントを合わせるための目の筋肉を酷使する状態になるからです。酷使した筋肉がこり固まってしまうことで、見たい物に焦点が合わなくなってしまい、結果として眼精疲労になってしまいます。
■ ドライアイによる目の不調や不快感
涙の量や涙の成分が低下するドライアイによって目の不調や不快さを感じ、眼精疲労につながることもあります。涙には目をバリアする役割がありますが、ドライアイによって涙が不足したり、涙の成分が乱れたりしていると、目のバリア機能が働くなります。目のバリア機能が正常に働かなくなると、「目が乾く」「目が痛い」「かすむ」などの症状が現れ、これらの症状が目や精神的なストレスになり、自律神経も乱れて眼精疲労につながります。
■ 精神的なストレス
精神的なストレスも眼精疲労を引き起こす原因として挙げられます。精神的なストレスは自律神経を乱す要因になるため、自律神経の中核である目にも影響するのです。
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● イライラすることが頻繁にある
● 悩みや不安を抱えている
● 常に緊張する環境にいる
● 心身を休める時間が取れない
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など、リラックスできない状態は自律神経の乱れを起こし、自律神経が通っている目に悪影響を及ぼすため、精神的なストレスも眼精疲労を引き起こす原因の1つとして挙げられます。
多くの人が眼精疲労と首こりに悩んでいる
現代は眼精疲労や首こりなどの不調に悩む人が増えています。特にVDT機器(パソコン・スマホ・テレビなどの機器)を使った作業をする人が眼精疲労や首こりなどの症状を訴えることが増え、厚生労働省もガイドラインを策定して健康管理を推奨しているほどです。
IT化が進む現代は仕事でもプライベートでもデジタル機器に触れていることが多く、目を酷使する時間が増えています。自律神経にも関わりのある眼精疲労や首こりは、放置することで様々な不調にもつながってしまうため、見逃してはいけません。
次の章では眼精疲労と首こりを放置することによって生じる不調について詳しく解説します。
眼精疲労と首こりの放置が引き起こす不調
個人差はあるものの、眼精疲労や首こりなどの不調を放置した場合、日常生活に支障をきたすような症状が現れる可能性があります。
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【眼精疲労と首こりを放置した場合】
● 自律神経失調症になる可能性がある
● 慢性的な肩こりや腰痛になりやすい
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それぞれの不調について解説します。
自律神経失調症になる可能性がある
眼精疲労や首こりを放置すると、“自律神経失調症”と呼ばれる症状が出る可能性があります。
自律神経失調症とは、自律神経が正常に機能しなくなったことによって起こる症状のことを指し、自律神経失調症になると以下のような症状が現れると言われています。
眼精疲労や首こりの放置が自律神経失調症につながる理由は、目や首が自律神経に直接に関わっている部位であるからです。眼精疲労や首こりなどの異常が自律神経に伝わると、リラックスさせる副交感神経の働きが低下し、アドレナリンを分泌する交感神経が優位に働くようになります。このような働きが起こることで自律神経が乱れ、乱れた自律神経が全身の様々な部位に連動していって上記のような症状が現れるようになります。自律神経と直接な関わりがあるからこそ、眼精疲労や首こりは見逃してはいけません。疲れや痛みなどの症状を感じたら、我慢せずすぐに解消するようにしてください。
本記事ではすぐ実践できる効果的な解消法も紹介しています。今すぐに解消したい方はご参考ください。
慢性的な肩こりや腰痛になりやすい
眼精疲労や首こりの放置は肩こりや腰痛など他の部位の不調も引き起こします。眼精疲労や首こりなどの症状が出ているときは、物をよく見ようとしたり、首の痛みをカバーしようとしたりして不自然な姿勢を長時間にわたって取り続けていることが多く、猫背や前かがみなどの姿勢が“通常”の姿勢になってしまうからです。一般的に人の頭は約5~7㎏の重さがありますが、傾くたびに負荷は大きくなり、45度傾いた姿勢では22~27kgもの負荷がかかると言われています。
歪んだ姿勢で過ごすことは、常に背骨や神経に大きな負荷がかかった状態になるため、肩こりや腰痛は慢性的な症状になりやすくなります。
すぐにできる眼精疲労と首こりの解消テクニック
眼精疲労や肩こりを感じたら我慢せずに疲労対策を取り入れるようにしましょう。すぐに取り入れられるテクニックを紹介します。
目に休息を与える
1時間に10分ほどの休憩をはさむなど、定期的に目を休めるようにしましょう。目の休め方は以下の方法が効果的です。
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● スマホやタブレット、パソコン、テレビなどのディスプレイは見ないで過ごす
● 意識的にまばたきをする
● 遠くを見る
● 蒸しタオルやホットマスクで目を温める
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目に負荷がかからないように過ごしたり、目の緊張をほぐしたりすることで目の周りの筋肉が緩み、リラックスする副交感神経が働くようになります。目に休息を与えて緊張状態を緩和するようにすることがポイントです。
目の体操をして筋肉をほぐす
目の体操を取り入れて筋肉の疲れをほぐすこともおすすめです。目の体操とは、眼球を上下左右に動かしたり、右回り・左回りとぐるっと動かしたりなど、簡単な動きで十分です。
ただし、やりすぎると疲労の原因になるため、心地よいと感じる程度に動かすことがポイントです
ツボを刺激する
目や首こりを和らげるツボを刺激することも効果的です。以下の図を参考にしてツボを刺激してみてください。
ツボは指で押したときにやや凹みを感じ、押すと痛みを感じるところです。人によって若干位置に違いがあるため、指で探りながらツボを見つけるようにしてください。
首や肩回りのストレッチを取り入れる
首こりや肩こりには、前かがみになってしまった姿勢を本来の位置に戻すようなストレッチが効果的です。以下の図を参考にしながらストレッチを取り入れてみてください。
(1)肩甲挙筋や胸鎖乳突筋を伸ばすストレッチ
首横と首から肩甲骨まで伸びている筋肉をほぐすストレッチです。頭に手を添えて頭を真横や斜めに倒し、首の筋肉を伸ばします。気持ちよく伸びを感じる程度に行いましょう。
(2)頭板状筋を伸ばすストレッチ
首の後ろにある筋肉をほぐすストレッチです。両手で後頭部を押さえ、首を前に傾けてください。手に力を入れて傾けるのではなく、手は添える程度にして伸ばすことがポイントです。
(3)斜角筋と僧帽筋のストレッチ
肩の内巻きや、首が前に出ている姿勢で固まった筋肉をほぐすストレッチです。手を組んで真上に伸びたり、身体を左右に倒したりして肩回りや肩甲骨の筋肉をほぐします。
正しい姿勢を意識する
意識的に正しい姿勢を保つようにすると、頭の重さによる負荷がかからなくなるため、身体の負担が少なくなります。思い出したら意識的に正しい姿勢を取り入れるようにしましょう。以下のポイントを押さえて正しい姿勢をキープするように心がけてみてください。
(A)座る姿勢の場合
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● 背筋をまっすぐに伸ばす
● 肘はアームレストで支える
● 足裏全体が床につく高さの椅子を使う
● ディスプレイの画面が目と同じ高さ、またはやや下になる位置にする
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(B)立ち姿勢の場合
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● 耳からくるぶしまで一直線にする
● 肩に力を入れない
● 肛門を締める意識をして下腹部に力を入れる
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眼精疲労と首こりをケアするポイント
眼精疲労と首こりをケアするなら2つのポイントを押さえて行うようにしましょう。
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1,目と首の両方にアプローチする
2,ケアを日常的に行う
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それぞれの理由について解説いたします。
目と首の両方にアプローチする
眼精疲労と首こりを解消するなら、目と首の両方にアプローチをするようにしてください。なぜなら、目と首は自律神経が密に関わり合っている部位であるうえに、目の動きに大きく関与している『後頭下筋群』という筋肉も後頭部と首にかけて集中しているからです。
後頭下筋群は眼球の動きをサポートする働きを持っているため、目を酷使した状態が続くことで後頭下筋群が過度な緊張状態を起こします。
目と首は神経・筋肉ともに密接に関わり合うことで正常に機能する仕組みになっているため、目の不調を感じたときは、目と首の両方にリフレッシュを与えるケアをすることがポイントです。
目と首の両方にアプローチをするとは、例えば
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● 目を閉じながら後頭部下筋群をほぐす
● ディスプレイを見ないで首元を伸ばすストレッチをする
● 首元を温めながら目を動かす体操をする
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などがあります。目と首はつながっているからこそ、両方にアプローチをすることでリフレッシュができ、疲労回復の効果を実感できるはずです。
ケアを日常的に行う
眼精疲労と首こりのケアは日常的に行うことがおすすめです。というのも、現代は長時間にわたってパソコンやスマホなどを使用することが日常的であり、目が緊張しやすい環境にあります。さらに、目と首は自律神経と直接的に関わりのある部位であるため、仕事や人間関係などのストレスからも眼精疲労や首こりは引き起こされます。眼精疲労や首こりを感じる場合は、こうした日常の行動から発症している可能性が高いため、ケアすることも日常的に取り入れるようにしましょう。
酷使した目や首へのアプローチはもちろん、精神的なストレスをリフレッシュすることも自律神経のバランスを取り戻す有効な過ごし方です。こまめにリフレッシュする時間を日常に取り入れて目や首の負担を和らげるようにしましょう。
まとめ
目は直接的に神経と関わりのある部位なので、眼精疲労を感じるときは首こりなども同時に感じることが多いです。目の疲れを放置することは自律神経の乱れにも直結するため、目の疲れや、かすみ、まぶたの痙攣など、少しでも目に異常を感じたら目に休息を与えるように心がけましょう。