置き換えるだけではダメ?毎日の食事で実践できるダイエットのコツ
- ダイエット
最終更新日2023.08.08
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「食べたい!でも、やせたい…」は、永遠のテーマ。断食する、特定の食品だけを食べ続ける、糖質を摂らないようにするなど、世の中にダイエット方法は数多くあります。しかし、こういった方法は短期間なら試せても、長期的に続けることは難しいものです。実際にあなたも一度は試してみたことがある(…そして失敗したことがある)のではないでしょうか。
このほかにも、毎日1~2食を低カロリーのダイエット食品で補う「置き換えダイエット」も人気です。しかしこの置き換えダイエット、実は「何に置き換えるか」が重要なのです。本記事では、置き換えダイエットをする際に知っておいてほしいポイントと、身近な食材を使った置き換え方法について説明します。
ダイエット=摂取カロリーを減らせばOK?
ご飯やパンなどの炭水化物や、お菓子・フルーツなどの甘いものを食べない糖質制限。もともとは糖尿病患者に向けた食事療法です。糖質制限は短期的な効果は立証されているものの、継続することの安全性については専門家の間でも意見が分かれています。
また、置き換えダイエット用の食品には、シェイクやゼリーといった飲料形状の製品も多くありますが、飲料として食事を置き換えることの問題もあります。
満腹感を得にくい
飲み物は噛まずにごくごく飲んで、すぐにお腹の中に入りますよね。そうすると、脳や体は満腹感を感じにくくなります。つまり、食べているのに食べた気がしないのです。肥満症診療ガイドラインでも、1回20~30回噛む「咀嚼法」は行動療法の一つとして記載されており[2]、噛む、すなわち咀嚼、という行為自体が満腹中枢を刺激し、食欲を抑える効果があるという報告は多数あります。
便秘になりやすい
摂取する固形物の量が減るということは、便の量も減るということです。さらに、腸は筋肉でできているため、通常の食事では硬いものやかさのある食べ物が腸に運び込まれ、ぜん動運動をしてその塊を移動させながら消化・吸収をしていきますが、置き換えダイエット用の飲料では、腸が運動する機会を失ってしまい、腸の衰えにもつながります。
ダイエット=食材選びが重要!
では、どんな食品に置き換えると良いのでしょうか?その答えは、これまでに述べた問題点をクリアできるような食品を選択して置き換えることです。つまり、ある程度かさがあるもので、咀嚼する必要のある食品、糖質控えめでかつ摂取エネルギー量を保った食品、そして体を維持・構築する材料となる栄養素を多く含む食品、ということになります。
これを単独の食品でいっぺんに摂ろうとすると、どうしても無理が生じます。いろいろ組み合わせて食べるようにすることで、いろいろな栄養素を無理なくバランス良く摂れますし、バリエーションも増えて飽きにくく、良い食生活の確立・継続にもつながるでしょう。
1.良質な食材で置き換え
ダイエット中に不足しがちな脂質も良質なものを選びましょう。たとえば、オリーブオイルやココナッツオイルなどがおすすめです。ココナッツオイルやバターから作られたギーなどを、コーヒーや紅茶に混ぜて飲むと、体でエネルギーとして活用されやすいので、空腹感を感じづらくなり、結果、置き換えダイエットの強い味方になってくれます。
2.美肌を目指す置き換え
小腹がすいてどうしても何か食べたい…ということもありますよね。そんなときは、血糖値が上がりにくいチーズやナッツを選んでみてはいかがですか?チーズを選べば、タンパク質やカルシウムに加えて、美肌にうれしいビタミンAや脂肪燃焼を促すビタミンB2が摂取できます。
チーズの代わりにヨーグルトでもいいですね。またナッツを選べば食物繊維や血中コレステロールを調整する不飽和脂肪酸、抗酸化力のあるビタミンEなどが摂取できます。ただし、どんな食材も食べすぎは禁物です。チーズは1日約60gまで、ナッツ類は1日約25gまでにしておきましょう。
3.お酒と共に楽しむ置き換え
お酒は高カロリーなものも多いため、節度ある飲酒を心がけることも大切です。しかし、「ダイエット中でもお酒を飲みたい!」という場合は、おつまみならサラダやナッツなど食物繊維が摂れる食品、枝豆やキノコ料理など代謝を助けるビタミンB群を含む食品、豆腐や刺身などの高タンパク・低カロリー食品、オクラや山芋などの胃粘膜を保護する粘り気のある食品などを選ぶとよいでしょう。
食材と食べ方のポイント
食材選びのほか、調理法を工夫することでうまく置き換えできるものもあります。
たとえば、輸入牛肉の脂身付きリブロース100gを焼いて食べると332キロカロリー。同じ100gでも、若鶏のささみをソテーしたものは194キロカロリー。
調理法をゆでる・蒸すなどにすることでもカロリーを抑えることができますよね。このほか、精白米の米飯を半分にして、しらたき(こんにゃく)を細かく切ったものを混ぜ込んだりすれば、量は同じでよく噛む必要もありますよね。かさも増すので、満足感を得やすいでしょう。
コンビニも活用方法次第ではダイエットの味方に!
コンビニの弁当や惣菜はカロリーが表記されているので、上手に活用すればダイエットの心強い味方になってくれます。サラダチキンやゆで卵、温泉卵、チーズなど、良質なたんぱく質を多く含むものが意外とあり、最近は低糖質スイーツや、ダイエットを助けるトクホ商品、野菜が足りないときのカットサラダなどのラインナップも充実しています。日頃から使えそうな商品をチェックしておいて、忙しいときの健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。
置き換える食材を賢く選んで継続することが大切
置き換えダイエットは、ただ単に何かを何かに置き換えるのではなく「摂りすぎているもの」を「不足しているもの、必要なもの」に置き換えることで、効率的なダイエットと、より健康的な体作りにつながります。結果、食事の満足感もあるためリバウンドしにくく、なにより続けやすいこともメリットです。無理せず、日々できるところから習慣化させていきましょう。
[1]川崎玲子. “リバウンドしないダイエットとは” 労働衛生協会 http://www.rodoeisei.or.jp/18_balance/201601/07.pdf(参照2019-08-19)
[2]日本肥満学会編.肥満症診療ガイドライン2016.ライフサイエンス出版.2016 p42-43