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【本気ダイエット】水泳×サイクリングの全身運動で脂肪燃焼する方法

公開日2024.03.25
最終更新日2024.03.15
読み終わるまで6分

脂肪燃焼による減量や体力づくりに適しているとされる有酸素運動。今回は、そのなかでも特に消費カロリーの高い、「水泳」と「サイクリング」に注目してみました。水泳はゆったりとした動きでも運動の負荷が高く、全身運動として最適です。日常生活のなかに取り入れやすいサイクリングは、実際にどのように取り入れるとよりはたらきが大きくなるかなどのポイントもあわせて紹介します。

ダイエットは定期的に継続できる「有酸素運動」がカギ

運動は、筋肉を動かすときに使われるエネルギーの違いによって有酸素運動と無酸素運動に分かれます。有酸素運動はエネルギーとして主に脂肪酸を酸素とともに使う運動、無酸素運動は筋肉に蓄えられたグリコーゲンをエネルギーとする、酸素が使われない運動です[1]。体脂肪は分解されると脂肪酸になり[2]、有酸素運動でエネルギーとして多く使われます。このため、体脂肪を減らしたいなら有酸素運動がより適しているということです。
 
通常、運動は無酸素運動と有酸素運動が組み合わさっており、運動の種類によってその割合が異なります。短距離走や重量上げのように、短い時間で強い負荷がかかる運動は無酸素運動が主になります。一方、会話ができるくらいの速さ程度の強すぎない負荷で長時間続ける運動は、有酸素運動の割合が多くなります[1]。
有酸素運動はできれば日常的な習慣にし、定期的に行うとダイエットはもちろん、基礎体力づくりや健康管理にも役立ちます。

「水泳」と「サイクリング」がおすすめ

トライアスロンでも種目になっている水泳とサイクリング。ハードなイメージがあるかもしれませんが、泳ぎ方や自転車をこぐスピードによっても運動強度は異なります。メリットからみていきましょう。

水泳

水泳は全身を効率よく鍛えるのに適した運動です。全身の筋肉量をアップさせることができるので、基礎代謝も上がり、太りにくく痩せやすい体をつくることができます。
 
また、日ごろ運動する習慣があまりない方や足腰の痛みが気になる方でも、水中では浮力がはたらくため負荷を軽減して運動することができます。数ある運動のなかでも消費カロリーが高いのが魅力で、効率よくダイエットができるのもメリットです。

サイクリング

疾走感があるサイクリングは水泳と同じく消費カロリーが高めで、かつ、日常生活にとり入れやすい有酸素運動です。ジョギングやランニングに比べると疲れにくい印象がありますが、下半身の強化には最適で、特に太もも部分の大きい筋肉を強化することができます。大きい筋肉を鍛えることで、全身の基礎代謝がアップして痩せやすくなるといううれしいメリットがあります。

水泳で全身運動!

水泳は、泳法や泳ぐスピードによって運動強度を調整できる運動です。運動強度は厚生労働省によって定められたメッツという単位で示されます。メッツとは、身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。
 
また、メッツ・時は、メッツと運動した時間をかけたもの。たとえば3メッツの運動を1時間半行ったら3×1.5=4.5メッツ・時となります。
 
厚生労働省によると、18~64歳が健康を維持するためには、日常生活のなかで3メッツ以上の身体活動を1週間あたり23メッツ・時行うことが推奨されています。3メッツの運動であれば、1週間に合計で7.7時間以上行うと23メッツ・時/週以上になります。
 
水中で行う運動は、ほとんどが3メッツ以上の運動量です[3]。
 


  • 水中ウォーキング…4.5メッツ

  • ゆっくりとした平泳ぎ…5.3メッツ

  • のんびり泳ぐ…6.0メッツ

  • クロール、ふつうの速さ、46m/分未満…8.3メッツ

  • クロール、速い、69m/分…10.0メッツ


 
自分の体力などに合わせて運動量を調整してみましょう。

水泳による消費カロリー

水泳によって消費できるカロリーは、体重によっても変わります。
 
エネルギー消費量の計算式:体重 × メッツ × 運動時間(分)
 
たとえば、クロールを10分間行った場合、消費できるカロリーは次のとおりです。
 
50kgの人…69キロカロリー
60kgの人…83キロカロリー
70kgの人…97キロカロリー
80kgの人…111キロカロリー
(小数点以下四捨五入)
たった10分程度で、ウォーキングの3~4倍ほどのカロリーを消費できます。

水泳で鍛えられる筋肉

泳ぎ方によっても、鍛えられる筋肉が異なります。泳ぎ方の種類ごとに強化が期待できる筋肉をおさえておきましょう。
 
クロールは、全身の筋肉を鍛えるのに適した種目です。なかでも特に上半身の筋肉を鍛えられ、広背筋や肩関節周辺の筋肉量がアップするほか、大腿四頭筋も強化されます。
 
背泳ぎは、広背筋や僧帽筋、上腕三頭筋を鍛えられる種目です。さらに、お腹に力を入れて姿勢を保持する必要があるため、腹筋やインナーマッスルも鍛えることができます。
 
平泳ぎは、主に脚の筋肉、特に内転筋や股関節まわりに筋肉がつきます。また、上半身の僧帽筋・三角筋を鍛えるのにも最適です。ただし、腰痛や膝の痛みがある方は避けましょう。
 
バタフライは難しい泳ぎ方ですが、全身を効率よく鍛えられるため、できる場合は取り入れてみましょう。ただし、こちらも腰痛がある方は避けましょう。

サイクリングで下半身を強化!

サイクリングの運動強度(メッツ)も、速度などによって変わります。おおよその目安として、ゆったりと走る程度(8.9km/hほど)で3.5メッツ、早めに走る(16km/hほど)で4.0メッツ、20km/hほどの速さで走る場合は8.0メッツです。シティサイクルで20km/hを出すのは難しいですが、マウンテンバイクなどある程度の重さとタイヤの太さがある自転車では、そのくらいのスピードを出すことも可能です。なお、電動アシスト付き自転車は3.0メッツです。

サイクリングによる消費カロリー

エネルギー消費量の計算式:体重 × メッツ × 運動時間(分)
 
たとえば、早めに走る(16.1-19.2km/h)サイクリングを10分間行った場合、消費できるカロリーは次のとおりです。
 
50kgの人…60キロカロリー
60kgの人…71キロカロリー
70kgの人…83キロカロリー
80kgの人…95キロカロリー
(小数点以下四捨五入)

サイクリングでやせるポイント

自転車でゆっくり走ったときの運動強度は、散歩やお風呂掃除などと同じくらいです[4]。脂肪燃焼によるダイエットを目標にするなら、もう少し早くこいで運動強度を上げることを意識しましょう。有酸素運動の目安として、軽く汗ばむものを長く続けられるくらいが良いとされています。30分以上こぎ続けられるくらいのスピードを意識しましょう。スピードメーターをつけ、走るスピードの目安にするのもおすすめです。ただし、その際自分の最大心拍数(bpm、beats per minute)以上にならないように気をつけてください。最大心拍数は、運動負荷を上げていき、最高にがんばった時の心拍数を指します。一般的に、下記の計算式が目安になります[5]。
 
最大心拍数=220-年齢(歳)
 
例:50歳の場合 → 220‐50=170(最大心拍数)
 
運動別の目標心拍数は、運動の目的別に以下の式で算出できます。また、逆に、運動時の心拍数をもとに、その運動が自分にとってどれくらいの強度になっているかも計算することができます。
 
目標運動心拍数=最大心拍数[220-年齢]×目標運動強度(%)
 
運動の目的別の運動目標強度は以下のとおりです[6]。
 


  • レース体力向上:85%

  • 持久力向上:70~85%

  • 脂肪燃焼、健康増進:60~70%

  • 運動初心者、ウォームアップ、クールダウン:50~60%


 
心拍数は、心拍数モニターやウェアラブル端末でも簡単に把握できます。体調のバロメーターとして、普段から測定しておくと良いでしょう。

トレーニングの後はセルフケアも忘れずに

水泳やサイクリングに限らず、運動した後は筋肉が硬くなり、疲労物質がたまっています。マッサージには硬くなった筋肉をほぐし、血行を促進することで疲労物質が排出されやすくなる作用が期待できます。ダイエットをスムーズに進めるためにも、トレーニング後はストレッチによるクールダウンや、マッサージを習慣づけておきましょう。

健康管理とダイエットには適切な有酸素運動を

水泳は、消費カロリーが多いだけでなく、普段あまり使わない筋肉も使う全身運動です。筋肉量がアップして体力強化にもつながります。移動手段にもなるサイクリングは、数ある有酸素運動のなかでも日常生活の中に組み込みやすい運動です。疾走感のあるサイクリングで、より健康的な体を目指しましょう。

参考文献
[1] 厚生労働省.“エアロビクス / 有酸素性運動” e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html(参照2019-08-22)
 
[2]厚生労働省.“筋グリコーゲン” e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-079.html(参照2019-08-22)
 
[3] 中江悟司ほか. “改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』” 国立健康・栄養研究所. https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf(参照2019-07-11)
 
[4]厚生労働省.“運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書” 報道発表資料. https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf(参照 2019-08-22)
 
[5]国立循環器病研究センター. “[20]運動と循環器病” 循環器情報サービス. http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph20.html(参照2019-10-11)
 
[6]コニカミノルタ株式会社. “もっと身近に!スポーツセーフティー” コニカミノルタランニングプロジェクト. https://www.konicaminolta.com/jp-ja/runpro/running/sports_safety/004.html(参照2019-10-11)
 

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