背中のハミ肉放置しないで!セルライト予備軍は脂肪のうちに対策を
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最終更新日2023.09.04
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薄着の季節はもちろん、冬でもタイトなニットなどを着ると気になる背中の贅肉。見た目が一気に老けてしまいますよね。特に女性の場合は、ブラジャーの上に乗ったり、下からはみ出たりと非常に厄介な存在です。こういった贅肉と呼ばれる脂肪を放置してしまうと、さらに厄介な「セルライト」を生み出す原因に…!一度つくとなかなか解消できないともいわれているため、セルライト化はなんとしても阻止したいところです。そこで本記事では、セルライトができる原因を踏まえ、特に脂肪を落としにくいといわれている「背中」にフォーカスした簡単なエクササイズを紹介します。
「セルライト」ってなに?
セルライトは、本来はやわらかい皮下脂肪の細胞が増え、かつ、細胞同士を結合させている周りの組織が硬くなる(線維化)ことで、皮膚の表面がデコボコに見える状態のことです。その見た目から、「オレンジピールスキン」とも表現されています。男性より女性に多く、20代以降の女性の80~90%以上にセルライトがあるともいわれており[1]、特にできやすい部分は太ももの裏側やお腹まわりです。セルライトができてしまうと、不均等に硬くなった脂肪組織によって、血管が圧迫されて代謝が悪化し、さらに線維化が進んでしまうという悪循環も[2]。
肥満体型ではなくても要注意!
このように、セルライトには脂肪細胞が関係しています。肥満によって悪化することはあるものの、実は肥満体型=セルライトができやすいとは限りません[2]。全身のさまざまな部位にある脂肪細胞が大きくなっている肥満状態では、脂肪が均一に大きくなるためセルライトは比較的あまり見られず、全身はスリム体型でも二の腕など部分的に脂肪がついているという方こそ、実は「隠れセルライト」の持ちだったりします。また、セルライトの程度や肌の表面への現れ方も人によってさまざまなので、セルライトの脅威は肥満体型だけに限ったことではないのです。
セルライトができてしまう原因は?
セルライトができるメカニズムは、まだ明確にはわかっていないものの、以下のようなことが関係しているとはいわれています[2]。
- 炭水化物の過剰な摂取制限
- ホルモンバランスの乱れ
- お酒の飲みすぎ
- 加齢による変化
実は難しいセルライトの解消
さまざまな要因が絡み合ってできるため根源の見極めが難しいセルライトですが、一度できたセルライトは解消できるのでしょうか?
セルライトのセルフケアとして、入浴やマッサージなど、血行をよくするケアがよく紹介されます。また、セルライトをハンドマッサージでつぶすというアプローチもよく見られますよね。しかし、残念ながら血行の改善やハンドマッサージだけでは、今あるセルライトをすぐに解消することは難しいのも事実です。ただし、こういった方法は、セルライトがこれ以上増えないように予防したり、時間をかけて少しずつ落とすアプローチとしては有効といわれています。
セルライト予備軍のうちに対策を!
このように、自己流のケアだけでセルライトをすぐに解消するのは難しいからこそ、まずはセルライトがつきにくい生活を心がけることが重要です。
食生活の見直しから
日頃から食事の栄養バランスに配慮して、カロリーオーバーしないように気をつけましょう。出汁を味わうようなメニューや、歯ごたえのある食材を取り入れしっかり咀嚼するなど、ちょっとした工夫の積み重ねが長続きのポイントです。なるべく良質なたんぱく質を摂取するよう心がけ、パンやご飯などの炭水化物をつい食べすぎてしまう場合は、炭水化物を少し減らす代わりに野菜、肉や魚などを増やすようにすると良いでしょう。
適度な運動を取り入れて脂肪を燃焼
そもそも、セルライトは脂肪細胞。そのため、余分な脂肪が蓄積されないよう燃焼することが大切です。脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があり、前述の通りセルライトは皮下脂肪が線維化したものです。皮下脂肪は燃焼しにくい傾向がありますが、速足でのウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を組み合わせて行えば少しずつ燃焼します。有酸素運動によって血行も良くなったり、筋肉量が増えて体が引き締まることによってセルライトが目立ちにくくなる、というメリットもあります。
見えない部分の脂肪こそ念入りに
太ももや二の腕、お腹まわりは脂肪やセルライトが特につきやすい部分ではありますが、実は背中も例外ではありません。普段、パソコンやスマートフォンを使っているときに、ついつい猫背になっていませんか?猫背は、背中に脂肪がつく原因になります。猫背によって体に歪みが生じ、骨と筋肉が本来の位置からずれてしまい、徐々に筋肉の可動範囲が狭くなるためです。さらに、猫背になると血行が悪くなり、酸素や栄養が供給されにくくなるため、筋肉の動きが鈍くなってしまいます。その結果、効率よく背中の筋肉を使うことが妨げられてしまい、背中に脂肪がつきやすくなるという仕組みです[4]。
背中は、自分では見えにくく手も届きにくいため、セルライト予備軍である脂肪のうちに対処しておきたい部分でもあります。ポイントはやはり「正しい姿勢」。姿勢はエクササイズと同じくらい大切なので、日頃から猫背になっている自覚があれば意識して姿勢を正していきましょう。
背中を引き締めるおすすめエクササイズ3選
姿勢を意識したら、次は簡単なエクササイズをとり入れてみましょう。オフィスワークや家事の合間にできる手軽なエクササイズを3つピックアップしました。
肩甲骨まわりをほぐす
背中のストレッチで硬くなりがちな筋肉をほぐしましょう。呼吸を止めずに行うのがポイントです。
- 1.足を肩幅に開いて立ち、頭の上で左手を外側に向け、右手で手首をつかむ
- 2.腕を伸ばし、息を吐きながら体を右斜め前に倒しそのまま20秒キープ
- 3.ゆっくり体を起こす
- 4.手首を持ち替えて、反対側も同様に行う
体を斜め前に倒すとき、背中は後ろに引くようにするとストレッチ効果が高まります。
広背筋の強化
- 1.両ひざを腰の真下、両手を肩よりやや前についてよつんばいになる
- 2.手の位置は変えずに、息を吐きながら肩をお尻のほうに引く
- 3.背中が伸びた状態で、30秒キープする
ペットボトルで姿勢改善
背骨の両側にあり、姿勢を維持する「脊柱起立筋」を鍛えます。背中の中央ラインがくっきりと浮かんで、スマートな印象になれますよ。500mlのペットボトルを2本用意してエクササイズを始めましょう。
※負荷がかかってしまうため腰を曲げないように注意。ヘルニアや腰の痛みがある場合は避けてください。
- 1.姿勢よく立ち足を少し開く
- 2.両手は太ももの前でペットボトルを持つ
- 3.背中を真っ直ぐにしてひざを軽く曲げる
- 4.太ももに沿って両手のペットボトルを下げる
- 5.ひざを超えたらすぐに上半身を起こす
※目安の回数:1セット15回 × 3セット
効率重視ならプロへの相談も視野に入れて
背中の脂肪燃焼効果をより高めるためには、器具の活用もおすすめです。ダンベルやチューブ、ローラー器具など、自宅で使えるトレーニング器具にはさまざまなものがあります。器具によって鍛えやすい部位や使い方、負荷の大きさが違うため、スポーツ用品店のスタッフやジムのトレーナーに相談してみると良いでしょう。
また、できてしまったセルライトには、美容外科で行う脂肪吸引やエンダモロジーは効果的であるという報告もあります[1]。エンダモロジーとは、特殊なローラーで皮膚を吸引し血液の循環を促す施術で、現在主流のセルライト対処法です。
このように、日々の心がけやエクササイズに行き詰まってしまったときは、専門スタッフやプロの手を借りることも前向きに検討してみましょう。
さっそく今日からハミ肉にアプローチ!
セルライトは多くの女性に見られますが、一度できてしまうと自力ですぐに解消するのが難しいものです。まずは生活習慣の見直しと簡単なエクササイズから始め、セルライト予備軍の脂肪から対策していきましょう。特に気をつけたい「背中」は、姿勢と血行改善を意識し、無理のない範囲でストレッチやエクササイズを取り入れてみてください。
[1]野村智史. “エンダモロジーとセルライト” 美容皮膚科学 改訂2版, 宮地良樹ほか編. 日本美容皮膚科学会監修. 南山堂 2009; 529-532
[2]尾見徳弥ほか. セルライト, 臨皮2015; 69(5 増): 148-150
[3]Rawlings AV. Cellulite and its treatment, Int J Cosmet Sci 2006; 28(3): 175-190
[4]池田ゆう子クリニック. “猫背は背中に脂肪がつく! 背中美人になるための方法” 池田ゆう子クリニックwebサイト. http://www.ikeda-yuko.info/column/column82.html(参照2019-10-17)